column 建築エッセイ

住宅の世界観2  美術館に住む3軒長屋の世界観

アパートをつくるのに、「真四角の壁にただ屋根がついたアパートみたいな建築にはしてほしくない」とオーナーは言った。

それならばと、窓を1ヶ所だけ三角にして、屋根を斜めに傾けました。どうでしょう美術館のように見えますか?

建築の印象は、各部のパーツの単独でのデザイン、出来とは実はあまり関係ありません。

ほんの少し、その位置、バランスを変えるだけでイメージが変わります。

別な言い方をすると、その少しのセンスの違いに気づかないだけで建築の価値を大きく下げてしまうことになります。

カッコ良い、カッコ悪いは小さなことの積み重ねです。一発逆転、ここだけやればそれで大逆転といったスーパー・ウルトラなデザインはそうはありません。

カッコいい家に住むことはかっこいい暮らしを夢見ることができます。

どうせならカッコよく暮らしたいものです。

(写真32.美術館に住む)