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'若返りが良い'という先入観

少し年を取ると、「今後は若い世代に・・・・」などとおっしゃる先輩方が多いとこの頃思う。一方若者は若返りや改革こそが世の進歩だと思っている節がある。マスコミの意見もおおむねその方向であるので、やはり若返りや改革だなどとなる。

だが若者よ少し待て、65歳や70歳を過ぎただけでは決して能力や気力はなくなったりはしない。かの建築家巨匠フランクロイドライトはそれまでの作風から一っ飛び69歳の時に落水荘を発表しました。その後怒涛のごとく傑作を生み出していきます。ジョンソンワックスビルは72歳と77歳の時の作品です。タリアセンウエストやグッゲンハイム美術館は何と92歳の時の作品です。年をとると柔軟性が無くなるとか、クリエイティブさが無くなるとか、本当はないのです。むしろ逆だったのです。それこそ私たちの勝手な先入観であったことを知らなければなりません。良くないのは古い経験に縛られているその人個人の問題だけで年齢を物差しにするべきではありません。

テレビを見ていて思うのですが、たとえばいろんな場面での交渉の場も同じだと思います。白髪で少し腰の曲がった老紳士がニコニコとしかも矍鑠とした意見を述べるとずいぶん違った展開になると思うのですが、何故こうも皆が若返りに走るのでしょうか。

話を建築に戻します。もしもライトが65歳で引退していたとしたら、私が好きなライトの作品の多くが無くなってしまいます。
大人が輝く社会、そうあって欲しいと思います。私たちがいづれ行く道です。

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